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積立投資をわかりやすく解説!1級FPが初心者にお勧めする理由とは?

積立投資をわかりやすく解説!1級FPが初心者にお勧めする理由とは?

近年、巷では積立投資という言葉を耳にする機会が増えています。

「貯蓄から投資へ」のスローガンのもと、政府主導で各種法整備が進められ、多くの人にとって、投資や資産運用に取り組みやすい環境となりました。

そのような現況において、FP1級保有者の筆者は投資初心者がまず初めに行うべき投資は積立投資であると考えております。

本稿では積立投資とはなにか、なぜ投資初心者にお勧めするのかについて解説します。

1. 積立投資とは?

1-1. 積立投資の基本

積立投資とは、決まった金額を定期的に金融商品に投資する方法です。毎月(もしくは毎週や毎日)資産へ少しずつ投資をし、長期間にわたって積み立てることで資産を増やしていきます。

積立投資では、短期的な値動きに惑わされずに長期的なリターンを期待できるため、初心者から上級者まで幅広く利用されています。

積立投資は、少額からスタートできる点が魅力です。まとまった資金を用意する必要がなく、100円から始められる商品も数多く存在します。

また、金融市場の価格変動に対して感情的に動かされることなく、堅実な積立投資を続けることにより、安定したリターンが期待できる点も大きな魅力です。

1-2. そもそも「貯蓄」と「投資」の違いとは?

「貯蓄」は、基本的にリスクを取らずに資産を蓄える手段です。例えば、銀行口座に預け入れることで、一定の利息がつきます。

しかし、現在の低金利環境ではその利息は微々たるものであり、物価上昇によるインフレの影響を受けて実質的な購買力は減少する可能性もあります。

一方、「投資」はリスクを取る代わりに高いリターンを目指す手段です。株式や投資信託、ETFといった金融商品に資金を投入し、その資産が成長することで資産を増やすことを目指します。

投資には元本割れで損をするリスクがありますが、積立投資のように長期的に行うことで、リスクを低減し、安定的にリターンを得ることが可能です。

1-3. 積立投資が投資初心者に向いている理由

積立投資は投資初心者に向いていると言われています。理由は、その手軽さとリスクの低さにあります。

積立投資は毎月少額をコツコツと積み立てていくため、大きな損失を避けやすく、感情的に投資判断をしてしまうことも少なくなります。

また、毎回の投資タイミングを気にする必要がなく、設定を一度行えば自動的に投資が進むため、初心者でも続けやすいのが特徴です。

長期的な視点でリターンを狙うことができるため、投資を始める第一歩として最適な投資方法と言えます。

2. 積立投資の仕組みとドルコスト平均法

2-1. 定期的な購入でリスクを分散

積立投資では、毎月一定額を定期的に投資します。これにより、価格が高い時も低い時も同じ金額で投資するため、高値掴みのリスクを軽減できます。

投資タイミングを分散することで、価格変動の影響を和らげ、長期的にリターンを安定させることができるのです。この方法は、リスクを抑えながら資産を増やしていく手法として、初心者でも実践しやすい投資スタイルです。

2-2. ドルコスト平均法のメリットと仕組み

ドルコスト平均法とは、定額で定期的に同じ金融商品を購入することにより、価格が高い時には少なく、価格が低い時には多く買うことができ、平均的な購入価格を引き下げる投資手法のことです。

価格変動のリスクを分散し、長期的な成長を目指す投資手法として、特に積立投資において大きな効果を発揮します。

2-3. 価格の変動に振り回されない投資スタイル

積立投資は、日々の価格の変動に振り回されない投資スタイルです。市場においてベストな売買タイミングを計ることはプロでも難しいため、一般的な投資方法は短期的な市場の価格変動に振り回されてしまいがちです。

しかし積立投資では、毎月決まった金額での投資を続けることで、短期的な価格変動に影響されず、長期的な資産形成を目指すことができます。

この投資スタイルは、市場が上昇しているときでも下降しているときでも長期的な目線で見れば安定して資産を増やすことが可能です。

3. 積立投資のメリット

3-1. 少額から始められる

積立投資の大きなメリットの一つは、少額から始められる点です。多くの投資信託では、100円から積み立てることが可能です。初めて投資を行う人でも、大きなリスクを取らずに、徐々に投資に慣れていくことができます。

そして今は資産が少ない段階でも、毎月コツコツと積み立てていくことで、将来的には大きな資産形成につながる可能性があります。

3-2. 複利効果で資産が成長する

複利効果とは、投資で得られた利益を再投資することで、雪だるま式に利益が増えていく効果を指します。

積立投資を長期間続けることで、この複利効果が大きく働き、元本に対して指数関数的に資産が増加します。

複利の力を最大限に活用するためには、長期的に投資を続けることが重要です。特に若い世代にとって、早くから積立を始めることで将来的に大きなリターンを得られる可能性が高まります。

3-3. 感情に左右されない長期運用

積立投資のもう一つの魅力は、感情に左右されない投資ができる点です。

市場が急落した際でも、積立投資を続けていれば安い価格で買い増しを行うことができ、将来の回復局面で大きなリターンを期待できます。逆に市場が過熱している時でも、同じ金額を投資し続けることで高値掴みを避けることができます。

このようなことをしっかりと理解し、積立を継続すれば感情的になって売買してしまうリスクを低減できます。

4. 積立投資のデメリットとリスク

4-1. 元本割れのリスク

積立投資にはリスクも存在します。その一つが元本割れです。特に投資信託や株式に投資する場合、元本が保証されているわけではなく、市場の変動によっては投資した金額を下回ることもあります。

ただし、積立投資は長期的なリターンを見込むものです。一時的な下落に惑わされずにひたすら継続することが、投資を成功させる上で非常に重要です。

4-2. 短期間での大きな利益は期待できない

積立投資は長期的に資産を増やす手法であり、短期間で大きな利益を上げることは難しいです。

一般的な投資では短期的な売買で大きなリターンを狙うことも可能ですが、それには高いリスクが伴います。

積立投資は、長期間にわたってコツコツと資産を積み上げる投資手法です。急激な利益を求める場合には、他の投資手法を検討する必要があります。

4-3. 投資を放置してしまいがち

積立投資の魅力は、一度設定さえしてしまえば手間がかからず自動的に投資できることです。しかし反面、その手軽さゆえに、投資を始めた後に資産を放置してしまいがちです。

放置すると、投資環境の変化や自分のライフステージに合った見直しをしないまま資産を運用してしまうため、適切なリターンを得られない又は想定以上のリスクをとってしまうといったケースに陥る可能性があります。

そのため、定期的に投資状況を確認し、必要に応じて見直しすることが非常に重要です。

具体的には、年に最低1回はご自分の資産状況とライフステージを確認し、積立額の変更や投資対象商品の見直し、保有資産のリバランス等を行いましょう。

5. おすすめの金融商品と選び方

5-1. 投資信託やETF:プロが運用する商品の魅力

積立投資でよく利用される商品には、投資信託やETF(上場投資信託)があります。投資信託は、多数の投資家から集めた資金をプロが運用する金融商品です。

投資信託の種類は、投資対象が株式、債券、不動産などさまざまな資産クラスに及ぶため、リスクを分散させながら投資できるのが特徴です。

ETF(上場投資信託)も基本の仕組みは同様ですが、株式市場に上場しているため、リアルタイムで売買できる利便性があります。初心者にとっては、プロの力を借りて、少額から幅広く分散できる投資信託やETFは魅力的な選択肢です。

S&P500などの株式指数に連動する投資信託のことをインデックスファンドと呼びます。投資を始める際に、低コストのインデックスファンドは最も優先すべき投資先です。

5-2. NISAやiDeCoを活用して節税効果を最大化

積立投資を行う際に、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)を活用することで、税金面での優遇を受けることができます。

NISAを利用すると、最大1,800万円までの投資金額から得られる利益が非課税になります。

iDeCoは、老後の資産形成を目的とした制度で、60歳まで引き出すことができないデメリットはあるものの、掛け金が所得控除の対象となるため、節税効果が非常に大きいです。

これらの制度を上手に活用することで、効率よく資産を増やすことができます。

5-3. 金融商品選びのポイント

金融商品を選ぶ際には、自分のリスク許容度や目標金額に合った商品を選ぶことが重要です。

例えば、リスクをできるだけ抑えたい場合は、債券型の投資信託やバランス型ファンドを選ぶとよいでしょう。

逆に、リターン(値上がり)を重視する場合は、株式を対象とした投資信託、中でも成長企業に投資するETFが適しています。また、近年は仮想通貨(暗号資産)に投資をするETFも出てきており、大きなリターンを狙う際には検討する価値はあるでしょう。

ただし、ご自分の投資期間やライフステージなどを考慮し、長期的に保有できる商品を選ぶことがポイントです。

6. 積立投資のシミュレーション

6-1. 20年間毎月3万円を積み立てた場合

投資期間や利回りに応じてどれほどのリターンが得られるかをシミュレーションして、目標達成に必要な積立金額を、あらかじめ知っておきましょう。

インターネットで探せば、各金融機関が資産シミュレーションできるツールを提供しています。金融庁もツールを提供しているのでぜひご活用ください。

金融庁|資産運用シミュレーション


例えば、毎月3万円を積み立て、年間利回りが5%の場合、20年間でどのくらいの資産になるかを計算すると、最終的には約1,233万円となります。元本の720万円に対して、複利効果によるリターンが約513万円生まれる計算です。

実際にリスクのある金融商品に投資を行うと、このグラフのような安定した右肩上がりにはならない可能性が高いですが、積立投資は長期的な視点でコツコツ続けることで、シミュレーション以上の大きなリターンが期待できます。

6-2. 20年間毎月5万円を積み立てた場合

毎月5万円を積み立てると、リターンはさらに大きくなります。先ほどと同じく年間利回り5%でシミュレーションすると、20年間で最終的な資産は約2,055万円になります。元本は1,200万円であり、複利効果により855万円以上のリターンが得られることになります。

このように投資額をなるべく増やすことで、より早く目標金額に達することができ、老後の資産形成や子供の教育資金などに活用できます。日々の生活費と相談して積立投資額をなるべく大きくできないか検討してみることをお勧めします。

7. 積立投資を始めるためのステップ

7-1. 口座開設から初めての投資まで

積立投資を始めるためには、まず証券会社で証券口座を開設しましょう。証券会社によって投資先の選択肢が大きく変わります。

また、NISAやiDeCoを利用する場合は、専用の口座が必要になるため、別途手続きが必要になるケースもあります。

口座開設後は、希望する金融商品を選び、毎月の積立額を設定します。最初は少額から始め、慣れてきたらご自分のリスク許容度に合わせて、積立額を増やしていくことをお勧めします。

7-2. 投資計画を立てる:目標設定とリスク管理

積立投資を成功させるためには、しっかりとした投資計画を立てることが重要です。投資を途中で止めてしまうことがないように、投資の目的を明確にし、達成したい金額や期間を設定しましょう。

例えば、「10年後に1000万円の資産を築く」といった具体的な目標を持つと、モチベーションを維持しやすくなります。

また、リスク許容度を把握し、リスクを低減するために分散投資を行うことも大切です。自分のライフステージに合わせた柔軟な計画を作成しましょう。

7-3. 自動積立設定で手軽に続ける

積立投資の魅力の一つは、自動で積立を進められる点です。一度設定を行えば、毎月の積立が自動的に進み、忙しい日常の中でも無理なく資産を増やしていけます

近年、多くの証券会社や銀行は、積立設定を簡単に行えるシステムを提供しているため、初心者でも手軽に始められます。自動積立を利用することで、長期的な資産形成がスムーズに進むでしょう。

7-4.書籍を読んで積立を継続する

積立投資で唯一失敗するケースは「積立をやめて売却してしまう」ことです。失敗を避けるために、関連書籍を定期的に読むことをお勧めします。

近年は政府主導のもと貯蓄から投資へのスローガンを掲げ、先述のNISAやiDeCoといった非課税制度が拡充された背景もあり、投資初心者に向けた非常に易しい投資関連書籍が増えております。

このような書籍を購入して内容を頭に入れておけば、いざ暴落が起こっても積立をやめて売却してしまうことを回避できるでしょう。

 私の推薦書籍を3冊ご紹介致しますのでぜひご参考ください。

8. まとめ:積立投資を成功させるためのポイント

8-1. 長期目線でコツコツ続けることの重要性

積立投資の成功には、長期目線が欠かせません。短期的な価格変動に左右されず、定期的に積み立てを続けることで、複利効果を最大限に活用できます。市場の状況が悪い時も積立を続けることで、後に価格が回復した際に大きなリターンが期待できます。

コツコツと時間をかけて積み上げることが、積立投資の成功の鍵です。

8-2. 分散投資とリスク管理で安定した運用を

積立投資でもリスク管理は重要です。特定の金融商品に偏らず、株式、債券、リートなど、異なる資産に分散して投資することで、リスクを低減させることができます。

また、定期的にご自分の資産状況を見直し、目標やリスク許容度に応じて適切な商品に切り替えることも検討しましょう。安定した運用を行うためには、分散投資と柔軟なリスク管理が必要です。


今回は、積立投資について解説しました。積立は少額から手軽に始められ、長期的な資産形成に最適な方法です。もしあなたが本気で、将来のお金の不安を解消したいと思うなら、ぜひ今から始めましょう!